飲食店などの厨房では、グリストラップの設置が義務付けられています。グリストラップは週1回程度の清掃が推奨されていますが、清掃方法がわからず悩む方も多いです。
この記事では、グリストラップの役割や清掃方法、専門業者に依頼するメリットなどを詳しく解説します。記事を読めば、グリストラップの適切な管理方法がわかり、衛生的で効率的な厨房の運営ができます。
グリストラップとは業務用の厨房に設置する油脂分離装置

グリストラップについて理解するための基礎知識は、以下の2点です。
- グリストラップの役割
- グリストラップの構造
グリストラップの役割
グリストラップには、油脂分を含む排水から油分を分離し、下水道への油脂の流出を防ぐ役割があります。
グリストラップの役割は、以下のとおりです。
- 悪臭の発生を抑制する
- 配管の詰まりを防止する
- 排水処理施設の負担を軽減する
- 水質汚濁を防止する
- 環境に関する法令を順守する
- 火災のリスクを軽減する
グリストラップは飲食店などの厨房において、重要な役割を果たしています。適切に設置し、定期的に清掃することで、さまざまな問題を未然に防げます。
グリストラップの構造
グリストラップの主要な構造と役割は、以下のとおりです。
部位 | 役割 |
流入口 | 汚水や油脂を含む流体が流れ込む部分 |
仕切り板 | 油脂や固形物を効率的に分離させる 汚水の流れを均等に分散 |
トラップ部 | 油脂が水面に浮き固形物が底に沈む 汚水から油脂と固形物を効果的に分離させる |
流出口 | 油脂や固形物が取り除かれた水を排水管へ流す |
4つの部分が連携して、効果的に油分や固形物を分離する構造です。流入口から排水が入ると、油分は水面に浮上し、重い固形物は槽の底に沈殿します。仕切り板は、油分が次の槽に流れ出るのを防ぐ役割を果たします。トラップ部でも油分の分離が行われ、浄化された水は最終的に流出口から排出される仕組みです。
大きな固形物を捕捉して配管の詰まりを防ぐために、バスケットが設置されている場合もあります。グリストラップの各槽の容量や形状は、設置場所の条件に応じて変化します。飲食店の規模や排水量に合わせて、適切なサイズや構造のグリストラップを選ぶことが大切です。
グリストラップの種類と設置場所

グリストラップは、厨房の規模や用途に合わせて適切な種類と設置場所を選ぶ必要があります。主に使われる以下の種類を解説します。
- 屋内埋設型
- 屋内床置き型
- 屋外埋設型
屋内埋設型
屋内埋設型は、床下に設置するタイプです。省スペース性に優れており、厨房内の床面を有効活用できる点が特徴です。厨房の美観を損なわずに、厨房スペースを広く使えるため作業効率が上がります。
屋内埋設型には配管工事が必要なため、初期費用がかかる点がデメリットです。他のタイプよりも設置後のメンテナンスがやや難しく、定期的な点検と清掃が必要です。清掃時には床を開ける必要があるため、作業に時間がかかることもあります。
屋内埋設型の容量は比較的小さめで、大規模な厨房には不向きです。設置の際は、床下構造に適合するか、耐荷重性は十分かなどを確認する必要があります。床下に設置するため、水漏れが起きると建物の構造に悪影響を与える可能性があります。適切な防水対策を行うことも欠かせません。
屋内床置き型

屋内床置き型は、厨房の床に直接設置するタイプです。設置スペースがコンパクトで、小規模な厨房に適しています。移動や清掃は比較的容易ですが、容量が小さいため頻繁な清掃が必要です。床面からの高さがあるため、排水管との接続にも注意しましょう。
屋内床置き型を設置する際は、臭気対策や床荷重の確認が欠かせません。耐久性や耐食性が高く、メンテナンスのしやすい製品を選ぶことも大切です。
屋外埋設型
屋外埋設型は、地面に埋めて設置するタイプです。大型で高い処理能力を持っているため、大規模な飲食店や食品工場に適しています。地上部に点検口があり、メンテナンスや清掃がしやすい点も特徴です。点検口には密閉性の高いフタが付いており、雨水の流入を防ぐ構造です。
臭気対策として、活性炭フィルターなどを併用する場合もあります。屋外埋設型は設置工事が必要なため、初期費用が比較的高いデメリットがあります。寒冷地では凍結防止対策も必要です。
屋外のグリストラップの定期的な清掃や点検は、転落や大型のため体力作業となるため、専門業者によるメンテナンスが望ましいです。規模や費用面を検討すると、屋外埋設型は長期的な使用に適しています。
グリストラップの素材の種類

グリストラップの素材は以下の3種類です。
- FRP製
- ステンレス製
- コンクリート製
FRP製
FRP製のグリストラップは、飲食店で高い人気があります。FRPとは繊維強化プラスチックのことで、軽量で扱いやすいのが特長です。FRP製グリストラップの最大の魅力は、耐食性の高さにあります。油や洗剤にさらされる厨房環境でも、長期間使用できます。軽量であるため、設置や移動が簡単です。
コストが比較的安いながらも耐久性が高く、カスタマイズが可能で断熱性に優れています。衛生的で清掃も簡単です。FRP製グリストラップは、腐食やさびの心配が少ないので、長期間安心して使用できます。
ステンレス製

ステンレス製のグリストラップは、耐久性と衛生面で優れています。長期間使用できるので、初期費用は高めですが、長期的にはコスト削減が可能です。熱に強く、清掃も簡単です。飲食店や食品加工工場など、衛生管理が厳しい環境に適しています。見た目もきれいで、オープンキッチンなど目に触れる場所にも向いています。
ステンレス製は軽量なので、設置や移動が比較的簡単です。しかし、重量のある大型のグリストラップの場合は、専門業者に依頼しましょう。環境面でも優れており、リサイクル可能な素材であるため、廃棄時の環境負荷が低いのが特長です。
コンクリート製
コンクリート製のグリストラップは、耐久性と安定性に優れています。長期間の使用に適しており、大型の施設や屋外での使用に最適です。コンクリート製グリストラップの特長は以下を参考にしてください。
- 高い耐久性
- 優れた安定性
- 温度変化や化学物質への強い耐性
- 比較的安価な価格
しかし、設置工事が必要で移動が困難なため、設置場所の選定には注意が必要です。重量があるので、設置場所の床の強度にも気をつけましょう。メンテナンス面では、腐食や亀裂のリスクがあるので、定期的な点検が大切です。修理が難しい場合もあるため、専門業者への相談がおすすめです。
環境面では、コンクリート製グリストラップは比較的環境への影響が少なく、排水のpH変動にも強い利点があります。
グリストラップの清掃方法と頻度

グリストラップの清掃方法と頻度に関して、以下の点を解説します。
- バスケットの清掃
- 浮上した油脂の清掃
- 沈殿物の清掃
- トラップ管の清掃
- 清掃を怠ると発生するトラブル
バスケットの清掃
バスケットの定期的な清掃は、グリストラップの性能を維持し、排水トラブルを防ぐために重要です。バスケットの清掃手順は、以下のとおりです。
- バスケットを取り出し、中のかすを除去する
- バスケットを水で洗い、付着した油脂や汚れを落とす
- ブラシやスポンジで擦り洗いし、頑固な汚れを除去する
- バスケットを乾燥させる
- 破損や劣化がないか点検する
- 消毒・殺菌処理をする
清掃は使用状況によって毎日~週1回程度の頻度で行いましょう。こまめな清掃を心がけることで、グリストラップの効果を最大限に引き出せます。
»グリストラップの水の抜き方や適切な管理方法を解説!
浮上した油脂の清掃

浮上した油脂の清掃を適切に行うことで、排水設備の効率性を保ち、環境への悪影響を防げます。清掃手順は以下のとおりです。
- 専用のひしゃくを使用して油脂をすくい取る
- 油脂を専用容器へ移す
- 油膜が残らないように表面を細かくチェックする
- 必要な場合は吸着マットを使用して残った油分を吸収する
清掃頻度は、使用状況に応じて週1〜2回程度が目安です。油脂が多い場合は頻度を増やす必要があります。回収した油脂は適切に廃棄するか、再利用しましょう。清掃後は記録をつけて管理することで、グリストラップの状態を把握し、効果的なメンテナンスができます。
沈殿物の清掃
沈殿物の除去は、グリストラップの機能を維持し、悪臭や詰まりを防ぐうえで欠かせません。沈殿物の清掃手順は以下のとおりです。
- バスケットを取り出し、沈殿物を除去する
- スコップやバケツを使ってうまく沈殿物をすくい取る
- 底部や壁面に付着した汚れをブラシやヘラで擦り落とす
- 高圧洗浄機で残った汚れを洗う
作業時は手袋やマスクなどの保護具を着用し、安全に配慮しながら行ってください。適切な換気を行い、悪臭や有害ガスに注意しましょう。清掃後は、取り除いた沈殿物を適切に廃棄処理します。作業完了後は、水を張って正常に機能するか確認することも大切です。
トラップ管の清掃

配管の詰まりを防ぎ、厨房の衛生状態を保つためには、トラップ管の清掃を定期的に行う必要があります。トラップ管の清掃手順は、以下のとおりです。
- 専用のブラシやスポンジを用意する
- 内部の油脂や汚れを除去する
- 高圧洗浄機を使って頑固な汚れを落とす
- 清掃後は水で十分にすすぐ
- 必要に応じて消毒剤を使用する
トラップ管の配管内部の清掃を怠ると、油が固まり配管の詰まりなどの深刻な問題につながる可能性があります。清掃の頻度は、使用状況に応じて週1~月1回程度が適切です。厨房の規模や使用頻度などの状況を確認しながら、清掃頻度を調整します。
日常の清掃に加え、定期的に専門業者による点検・清掃を受けることがおすすめです。見落としがちな部分まで確実に清掃することで、厨房内を清潔に保てます。
清掃を怠ると発生するトラブル

グリストラップの清掃を怠ると発生するトラブルは以下のとおりです。
- 排水管の詰まり
- 悪臭の発生
- 害虫の発生
- 環境の汚染
排水管の詰まり
油脂や固形物が排水管に流れ込み蓄積すると、排水の流れが悪くなり、詰まります。悪臭の原因になり、バクテリアの繁殖や害虫の発生を引き起こします。下水道の機能低下や環境汚染につながるので注意しましょう。排水管の詰まりは定期的な清掃で予防できます。
詰まりは、排水管の寿命を縮める可能性もあるので、適切な管理が重要です。
悪臭の発生
グリストラップの清掃不足は、悪臭の発生につながります。腐敗した油脂や有機物が蓄積すると、嫌気性分解が起こり、硫化水素などの臭気物質が作られます。悪臭は、店舗内の空気を汚染し、従業員や客に不快感を与えるだけでなく、食品衛生上の問題にもなるので注意しましょう。定期的な清掃で、問題は防げます。
害虫の発生

グリストラップの清掃を怠ると、害虫が発生します。グリストラップ内に溜まった汚れた水や腐敗した有機物で、害虫を引き寄せるのが原因です。ゴキブリやハエ、蚊が夏場に活発になるため、問題がより深刻化します。害虫は食品衛生上の重大な問題を引き起こし、店舗のイメージダウンになります。
害虫駆除のための追加コストも必要です。害虫は周辺地域にも拡散するので、近隣トラブルの原因にもなります。
» グリストラップの清掃方法とゴキブリ対策について詳しく解説
環境の汚染
適切な管理を行わないと、水質汚濁や生態系への悪影響など、さまざまな環境問題が発生します。環境への悪影響は以下のとおりです。
- 河川や海洋の水質汚濁
- 水生生物の生息環境の悪化
- 地下水の汚染
- 悪臭や有害ガスによる大気汚染
飲料水源の汚染リスクが高まり、日常生活に支障をきたす可能性もあります。環境法規制違反につながる可能性もあり、法的な問題に発展する危険性があるので注意しましょう。
グリストラップを使ううえでの注意点

グリストラップを使ううえでの注意点は以下のとおりです。
- 臭いが目立たないかチェックする
- 部品の定期点検と交換を行う
- 従業員教育を行う
- メンテナンス費用を確保する
臭いが目立たないかチェックする
グリストラップの臭いは、適切な管理を怠ると周囲に不快感を与えます。臭いが目立つ場合の対策は以下のとおりです。
- 清掃頻度を増やす
- 消臭剤や脱臭剤を使用する
- 換気システムの確認と改善をする
- 臭気漏れの点検をする
臭いの原因となる食品残渣の適切な処理を徹底することで、臭気の発生を抑えられます。臭気対策用の活性炭フィルターの導入も効果的です。
部品の定期点検と交換を行う
部品の定期点検と交換は、グリストラップの性能を維持するために欠かせません。主要部品の定期点検や消耗品の定期交換、破損部品の速やかな交換が重要です。メーカーの推奨するサイクルに従って部品を交換しましょう。専門知識がない場合は、専門業者に依頼して定期的なメンテナンスを行うのがおすすめです。
部品の交換履歴を記録すると、適切な時期に交換を行えます。適切なメンテナンスは、長期的に見ると、設備の寿命を延ばし、コスト削減にもつながる重要な取り組みです。
従業員教育を行う

従業員教育を行うと、従業員はグリストラップの重要性を理解し、効果的な清掃を行えます。定期的な研修やミーティングを実施すると、従業員の知識とスキルを最新の状態に保てます。清掃担当者のローテーションを組むことも、管理に関わる意識を高めるのに効果的です。問題が発生した際の報告体制を整えるのも大切です。
従業員教育を通じて、グリストラップの適切な管理と清掃が可能になります。
» グリストラップの清掃頻度の目安や効果的な清掃方法を解説
メンテナンス費用を確保する
グリストラップのメンテナンス費用を確保しましょう。適切な予算管理により、突発的な故障や修理にも対応可能です。以下を参考にしてください。
- 定期的な清掃や修理の予算設定
- 予備費の用意
- 清掃業者への委託費用の把握
- 長期的な資金計画
定期的な点検と予防で大規模な修理のリスクを減らせます。グリストラップの状態を定期的に確認し、適切な予算配分を行うことで、長期的な視点での維持管理が可能です。
グリストラップ導入のメリット

グリストラップを導入することで、排水トラブルや衛生管理の問題を解消し、厨房運営や環境保護に大きく貢献できます。適切に設置・運用することで、以下のメリットがあります。
- 排水管の詰まりを防ぐ
- 悪臭の発生を抑える
- 法規制を遵守できる
- 害虫の発生リスクを低減する
排水管の詰まりを防ぐ
グリストラップは、排水中に含まれる油脂や食品カスを分離する装置です。排水管に固形物や油脂が詰まるのを防ぎます。飲食店の厨房では、排水管の詰まりが営業に支障をきたす重大な問題になるため、グリストラップの導入は重要です。詰まりが発生しないことで、排水管の修理や清掃にかかるコストを削減できます。
排水トラブルを未然に防ぐことで、スムーズな厨房運営が可能です。排水がスムーズに流れることで、厨房全体の衛生状態を保ちやすくなり、害虫や悪臭の発生も防ぎます。施設のイメージ向上や長期的な設備の保全にも役立ち、結果的に経済的なメリットをもたらします。
悪臭の発生を抑える
厨房で発生する排水が原因で、悪臭が広がるケースは多くあります。しかし、グリストラップを導入し適切に管理することで、油脂や食品カスの腐敗臭を防ぐことが可能です。以下の対策を実施することで、臭気の発生を効果的に抑えられます。
- 定期的な清掃を行い、油脂や食品カスを取り除く
- グリストラップ専用の消臭剤を使用する
- 設置場所の通気性を確保する
清掃が行き届いている場合、グリストラップは効果的に臭気を遮断し、厨房内や周辺環境を清潔に保ちます。清潔に保つことで、従業員が快適に作業でき、顧客への悪影響も防ぐことが可能です。
法規制を遵守できる

多くの自治体では、排水中の油脂分を一定基準以下にすることが義務付けられています。グリストラップを設置すれば、排水基準を確実に満たし、法規制を遵守することが可能です。違反による罰則や営業停止のリスクを回避できます。
法規制に対応していることを顧客や取引先にアピールすることで、店舗や施設の信頼性向上にも役立ちます。行政の指導や監査をスムーズにクリアするためにも、グリストラップの設置は重要です。環境負荷を軽減する姿勢を示すことで、社会的責任を果たす企業として評価され、他の飲食店や施設との差別化につながります。
害虫の発生リスクを低減する
油脂や食品カスが排水管や周辺に溜まると、ゴキブリやハエなどの害虫を引き寄せる原因となります。しかし、グリストラップを使用すれば、害虫の餌が排水管に流れるのを防ぐことが可能です。以下の対策をすることで、害虫の発生リスクを低減できます。
- グリストラップの定期的な清掃を徹底する
- 清掃時に専用の殺菌剤や防虫剤を使用する
- 排水周辺の通気性を確保する
害虫の発生リスクが低い厨房は、従業員や顧客に安心感を与え、食品衛生法の遵守にも役立ちます。
グリストラップ導入のデメリット

グリストラップの導入は多くのメリットをもたらしますが、デメリットや課題も存在します。グリストラップを導入するデメリットは以下のとおりです。
- 導入コストが発生する
- 定期的な清掃が必要になる
- 設置スペースの確保が必要になる
- 維持費がかかる
導入コストが発生する
グリストラップの導入には、初期費用が必要です。機器自体の購入費用に加えて、設置に伴う工事費用も発生します。特に以下の場合には、費用がさらに増加することがあります。
- 厨房のスペースが限られている場合
- 特注サイズや特殊仕様のグリストラップが必要な場合
- 既存の排水設備の大規模な改修が必要な場合
初期投資は、多くの飲食店や施設にとって大きな負担です。しかし、長期的な視点で考えると、排水トラブルを防ぐことによるコスト削減効果で相殺されるケースもあります。
定期的な清掃が必要になる
グリストラップは、油脂や食品カスを分離して溜める仕組みのため、定期的な清掃が欠かせません。清掃作業を怠ると、内部に溜まった汚れが悪臭や詰まりの原因となり、装置自体が機能しなくなることもあります。清掃には時間と手間がかかり、従業員に負担がかかる場合もあります。
専門業者に清掃を依頼する場合は継続的に費用が発生するため、計画的な管理が必要です。頻繁な清掃を必要とする施設では、従業員が効率的に作業を行えるように専用の道具や手順を整備する必要があります。一方、業者に依頼する場合には、信頼性の高い業者を選び、費用対効果を慎重に検討することが大切です。
従業員が基本的な清掃を行い、業者による定期点検を組み合わせることで、コストと労力のバランスを取れます。
設置スペースの確保が必要になる

グリストラップを設置するには、厨房内または周辺に適切なスペースが必要です。小規模な厨房では、限られたスペースをどのように効率よく活用するかが課題となります。設置場所の確保が難しい場合には、設置工事が複雑になり、費用や工期が増えることがあります。
導入前にはスペースの確保が可能か検討しましょう。設置場所の選定には利便性も重要です。清掃やメンテナンスがしやすい場所を確保することで、運用時の負担を軽減できます。排水管との接続がスムーズに行えるよう、配管設計にも注意が必要です。
設置後の運用を考慮し、清掃用の道具や作業スペースを確保しておくことで、長期的に効率的な運用ができます。
維持費がかかる
グリストラップの運用には、清掃費用や部品の交換費用といった維持費が発生します。維持費が増加しやすい要因は以下のとおりです。
- 経年劣化による部品交換の頻度が高まる場合
- 定期的な清掃やメンテナンスを業者に依頼する場合
- 清掃を怠った結果、トラブルが発生し修理が必要となる場合
長期間使用する場合には、想定以上のコストがかかることがあります。適切な清掃と点検を怠るとトラブルの発生リスクが高まり、結果的に修理費用が増加する場合もあります。維持費を継続的に負担する覚悟が必要です。
グリストラップの清掃を自分で行うときの注意点

グリストラップの清掃を自分で行うときは、以下の点に注意が必要です。
- 清掃に必要な道具をそろえる
- 清掃時のけがに注意する
清掃に必要な道具をそろえる
グリストラップを安全かつ効果的に清掃するために、道具は必要不可欠です。
衛生的に清掃するため、以下の保護具や道具を準備しましょう。
- ゴム手袋
- 長靴
- マスク
- 防水エプロン
- 洗剤
- 消臭剤
- ウエス
- ごみ袋
- 水切りネット
- 懐中電灯
グリストラップ内の汚れを効率的かつ効果的に除去するには、以下の道具が役立ちます。
- バケツ
- ひしゃく
- ヘラ
- ブラシ
- スポンジ
清掃の際は洗剤や消臭剤を使うと、油脂や臭いの除去に効果的です。清掃後の後片付けには、ウエスやごみ袋、水切りネットを使用します。暗い場所での作業用では懐中電灯があると便利です。清掃前に必要な道具をチェックし、不足しているものがあれば補充しておきましょう。
» グリストラップの清掃に必要な道具や清掃手順を解説!
清掃時のけがに注意する
グリストラップの清掃時にはけがのリスクがあるため、十分な注意が必要です。グリストラップ周辺は油や水でぬれていることが多いため、転倒防止のために滑りにくい靴を履きましょう。金属製の部品の鋭利な部分でけがをしないよう、手袋を着用することがおすすめです。
重量物を扱う際は、無理な姿勢による腰痛やけがに注意しましょう。有害な気体を吸い込まないよう、マスクを着用することも大切です。グリストラップからは悪臭が発生することがあるので、適切な保護具を使用しましょう。安全に注意して清掃作業を行うことは、作業効率の向上につながります。
»グリストラップの清掃方法とは?ゴミの取り扱いまで詳しく解説
グリストラップの清掃を専門業者に依頼するメリットと費用

グリストラップの清掃を専門業者に依頼するメリットと費用について解説します。
専門業者に依頼するメリット
専門業者に依頼すれば、グリストラップの清掃を効率的かつ確実に行うことが可能です。プロの知識と経験を活かした清掃は、衛生的でけがをするリスクもありません。専門業者は清掃の際に点検も行うため、故障や不具合を早期に発見できる点もメリットです。
清掃記録の保管などの管理全般を依頼できる場合があります。長期的に見ると、専門業者に依頼することで設備のメンテナンスコストを削減できる可能性もあります。
専門業者に依頼するときの費用
グリストラップの清掃を専門業者に依頼する際の費用は、1回当たり約1万5千~3万円程度です。定期契約の場合、月1回の清掃で月額1万~2万円程度です。費用は以下の要因によって変動します。
- グリストラップの規模
- 汚れの程度
- 作業の難易度
- 地域
- 業者の料金設定
深夜作業や特殊な汚れの除去などにより、追加料金が発生する場合があります。相場を知るためには、複数の業者から見積もりを取得して比較検討することがおすすめです。
» グリストラップ清掃の料金相場や節約のコツ、自分での清掃方法まで詳しく解説
専門業者に依頼する際に注意したい項目を以下にまとめました。
項目 | 注意点 |
業者の実績や評判 | 複数の業者から見積もりを取る 過去の実績や施工例、顧客レビューを確認 |
作業内容の詳細 | 清掃方法や洗浄頻度、処理方法を明確にする 清掃対象範囲を具体的に確認 |
料金体系の透明性 | 見積もり内容の詳細を確認 追加費用が発生する可能性を確認 |
アフターサービスの有無 | 清掃後の点検やメンテナンスやトラブル発生時の対応を確認 アフターサービスや保証期間の内容を確認 |
適切な業者を選べば、効果的かつ経済的なグリストラップの清掃ができます。複数の業者を比較検討しながら、状況に合った最適な清掃サービスを選択することが重要です。
グリストラップに関する法規制とコンプライアンス

グリストラップに関する法規制とコンプライアンスとして、以下の2点を把握しておきましょう。
- 排水基準
- ごみ処理に関する法律
排水基準
グリストラップを適切に管理することは、法律で定められた排水基準を守るために重要です。水質汚濁防止法にもとづく排水基準は以下のとおりです。
- BOD:160mg/L以下
- COD:160mg/L以下
- SS:200mg/L以下
- n-ヘキサン抽出物質:30mg/L以下
- pH:5.8以上8.6以下
» 環境省・水・土壌・地盤・海洋環境の保全・一般排水基準(外部サイト)
自治体によっては、さらに厳しい基準が設けられている場合があるため注意しましょう。特定施設を持つ事業所は、排水量に関係なく規制の対象となります。基準を守らないと罰則を受ける可能性もあります。定期的な水質検査を行い、記録を保管・報告することは欠かせません。
ごみ処理に関する法律
グリストラップの清掃と関連する廃棄物処理には、法律で定められた規制があります。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)が主に適用されます。法律では、事業者が自らの責任で適切に廃棄物を処理しなければいけません。以下の行為は法律違反となり、罰則の対象になる可能性があるため注意しましょう。
- 許可のない業者への委託
- 不適切な保管や処理
- マニフェストの不備
» 環境省・廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)(外部サイト)
グリストラップから回収した油脂や汚泥は産業廃棄物に分類されるため、特別な注意が必要です。産業廃棄物の処理には、許可を受けた業者に委託しなければなりません。保管や運搬、処分に関する基準を守ることが求められます。マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行と保管が義務付けられています。
地域によっては、独自の条例や規制が設けられているケースもあるため、事前に確認しましょう。適切な廃棄物処理は、環境保護と法令順守の観点からも重要です。関連法規を十分に理解し、事業者としての責任を持って対応しましょう。
グリストラップに関するよくある質問

グリストラップに関するよくある質問をまとめました。以下を参考にしてください。
- グリストラップの清掃にかかる時間はどれくらい?
- グリストラップの設置場所の選び方は?
グリストラップの清掃にかかる時間はどれくらい?
グリストラップの清掃にかかる時間は、通常1〜2時間程度です。清掃時間は、グリストラップのサイズや汚れの程度によって変わりますが、定期的に行うことで1回あたりの作業時間を短縮できます。ただし、初回の清掃や長期間放置した場合は、3〜4時間かかります。清掃時間を短縮する効果的な方法は以下のとおりです。
- 清掃頻度を上げる
- 清掃手順を効率化する
- 適切な道具を使用する
- 複数人で作業する
プロの業者に依頼すると、1時間程度で完了します。時間を節約したい場合は、プロの力を借りましょう。
グリストラップの設置場所の選び方は?
グリストラップは適切な設置場所を選ぶと、効率的な運用と管理が可能です。排水管に近い場所を選ぶのが大切です。配管工事を最小限に抑えられ、メンテナンスも簡単になります。定期的な清掃が必要なので、清掃がしやすい場所を選びましょう。臭気対策が必要な場合は、換気の良い場所がおすすめです。
グリストラップは重量があるので、床の強度も確認しましょう。寒冷地では凍結のリスクがあるため、保温対策が可能な場所を選ぶのも重要です。専門家に相談するなどして、法令遵守も徹底しましょう。
» グリストラップに関する法律と清掃方法について解説!
まとめ

グリストラップの清掃は、飲食店や食品工場などの厨房において重要です。定期的な清掃により、悪臭や排水トラブルを防げます。自分で清掃する場合は、適切な道具の準備と安全対策が欠かせません。
専門業者に依頼すれば、確実な清掃と法令順守がしやすくなります。清掃頻度は使用頻度によって異なりますが、週1回程度が目安です。グリストラップの適切な維持管理を行うことで、快適な厨房環境を保ちましょう。
屋外埋設型は、地面に埋めて設置するタイプです。大型で高い処理能力を持っているため、大規模な飲食店や食品工場に適しています。地上部に点検口があり、メンテナンスや清掃がしやすい点も特徴です。点検口には密閉性の高いフタが付いており、雨水の流入を防ぐ構造です。ただし設置箇所が地上から1〜2mと深い設備もあり、その場合転落等大事故につながる構造もあるため、注意が必要です。